【ユニバーサルカヌー体験会の創設者に突撃インタビュー！】ユニバーサルカヌーの進化史を覗いてみよう！

ユニバーサルカヌーとは

公園やプールなど身近に存在する水面を活用して、障がい児・高齢者を含む、誰もが楽しめ、癒され、運動できるカヌー

ユニバーサルカヌー体験会の歴史

ユニバーサルカヌー体験会は、「障がい児と健常児が一緒に遊ぶ環境がない」と語った養護学校長の言葉がきっかけで始まりました。

ユニバーサルカヌー体験会の創設者である和田先生は、会社で33年間働いたあと大学教員になり、当時教員としての研究テーマが工業デザインでした。

大学の近くにユニバーサルデザインを主題にした公園があって、和田先生は公園から「公園の冬のジャンボプールを活用して、プールでみんなが一緒に遊べるプロジェクトを企画してほしい」と依頼されました。そのプロジェクトの候補が、①釣り、②ローラースケート、③カヌーでした。

埼玉にある団体が障がいを持った方にカヌーを教えていました。障がい者のためのカヌーがないため、ひっくり返るところから訓練していたのを見ました。また、当時の鎌倉養護学校の校長先生の「障がいのある子どもたちは家に帰ったら遊ぶ場所もないし、遊ぶ相手もいないのよ」という言葉を聞いて、和田先生は運命を感じました。

「だったら普通の子どもと障がいのある子どもが一緒に遊べる場所を作っちゃえばいいじゃん」という使命感に駆られて、「誰でも乗れて絶対にひっくり返らないカヌーをつくってやる」という考えに至り、平成16年からカヌーを開発し、平成19年から同時並行でユニバーサルカヌー体験会を始めました。体験会にきて楽しかった人・感動した人がそれをみんなに伝えて、そのおかげで体験会が広がり、体験会が始まって17年が経った現在になっても続いており、みんなに愛されています。

体験会の受付の様子

ユニバーサルカヌーの開発

当時ではカヌーがまだ普及しておらず、カヌーの市場が小さかったのです。カヌーを作るメーカーもなく、カヌーを輸入するしかありませんでした。

和田先生は自分でカヌーを作るしかないと考えました。

一艇のカヌーの生産費用が800万円以上の莫大な金額になってしまうので、安く作れる方法がないかと悩んでいる時に、和田先生は真空成型という方法でカヌーをつくることを思いつきました。

さすが工業デザインを研究していた和田先生！プロでもなかなか思いつかないような発想らしいですよ？！

みなさんも絶対に「はあ？真空成型ってなに？」とカオス状態ですよね！

大丈夫です！和田先生本人から教えてもらった知識をみなさんに共有していきます！よし！これでみんながカヌーの達人になれますね！

真空成型とは、雌型または雄型のいずれか一方だけを用いてシートを型に合わせた形状に成形する方法です。この方法を用いて、本来800万円以上もかかるカヌーの型を約100万円で作ることができました。型を自分で作るともっと安くカヌーが作れるのですが、まだその力はありませんでした。さらに、真空成型でできたカヌーは大きさが最大で1.9mしかなかったので、誰でも乗れるようなカヌーとは到底言えませんでした。

和田先生は作製した真空成型カヌーを展示会に出しました。そこで大阪のあるメーカーがそれを見て、回転成型の方法で作ってあげると申し出ました。

その大阪のメーカーと連携して、当時の日本にはなかった鉄板製の金型をつくり、それを用いて回転成型カヌー、いわゆる本物のカヌーを自分たちの手で作ることができました。大きさは2mを超え、いろんなバリエーションもできました。45艇のカヌーが完成し、そのうちの22艇は17年が経った今でもHonki Universityのユニバーサルカヌー体験会で活躍しています。

体験会によくお越しいただいているみなさん！どうでしたか？！いつもお乗りになっているカヌーがどれくらいすごいものなのか、改めて知って驚いていると思います！

しかもそのカヌーたちが意外と長生きで、私も知ったときとてもびっくりしました！

でもさすがに17年間も使ってきたら、そろそろ引退の時期に入ってしまいますよね。。。

そのため、HONKIは今年クラウドファンディングを始めて新しいカヌーを作る予定です！

皆さま、是非応援していただけると嬉しいです！