こんにちは!
通勤時間は読書の時間ということで、毎月10冊ほど本を読んでいます。
世の中には色々な本がありますが、その時々の心境や環境で読みたいと思う本って関係があると思うんですよね。
僕は最近「働くこと」ってなんのかな〜 と思考を巡らせています。
読んだ本の中で、面白かったものを日頃から学生や若者に紹介しているのですが、折角だからブログでも紹介しようと思いまして、このコーナーを作って見ました!
本を読んで感じることは人それぞれ当然違いますよね。
あらすじや内容の紹介をしてもツマラナイと思うので、うちのNPOのメンバーが読んで感じたことを共有してみます。
初回となる今回は『コドモであり続けるためのスキル』を紹介していきます!
あえてメンバーの率直な感想を編集なしでそのまま載せています。
本の紹介
ホンキメンバーの感想その1
ホンキメンバーの感想その2
ホンキメンバーの感想その3
本の紹介
増補 コドモであり続けるためのスキル (よりみちパン! セ)
著者は、貴戸理恵さんという現関西学院大学の准教授をされている方です。
ご自身が小学校から不登校だったそうで、社会の一般的な流れからズレているということに興味を持ち、社会学の観点から「生きづらさ」を研究されています。
当事者でありながら研究者である貴戸さんのこの本ですが、学術本のように難しい訳ではなく、若者に向けてのメッセージ本の用で読みやすいです。
この「よりみちパン!セ」シリーズは各ジャンルのトップランナーが様々なトピックについて若者に向けて書いていまして、
養老孟司さんの「バカなおとなにならない脳」
小林エリカさんの「この気持ちいったい何語だったらつうじるの?」
この気持ち いったい何語だったらつうじるの? (よりみちパン! セ)
宮台真司さんの「きみがモテれば、社会は変わる」
とかも非常に面白いです。
「コドモであり続けるためのスキル」
はもちろん子どもや若者に向けて書かれていながらも、僕は他者と関わりのある、世の中にいる全ての人が何かしら得ることのある本だと思います。
僕の感想っぽくなりそうなので、読んでくれたメンバーの感想を紹介します!
ホンキメンバーの感想その1
どんな本?
僕はこの本は、「著者自身の不登校の経験をもとに、ありのままの自分を受け入れるという立場から“自分ではなく社会の方がおかしいのでは?”という視点で書かれている本」だと感じました。
この本を読むことで、コドモにとっては社会そのものである「学校」や、就職・結婚など一般的に考えられる「社会」の中で生きづらさを感じる人の考え方に少しだけ触れることができると思います!
どんな人におすすめ?
この本は「年齢に関係なく、“社会”というシステムに疑問を持っている人」におすすめかなーと思います。
ただ、「ひきこもりから脱出するには?」や「ニート対策には何が有効か?」などが書かれた本ではないので、不登校やニート、フリーターの「当事者」だけでなくその周囲の「社会」にいる側の人も読むべき本だという印象を持ちました!
気になった部分
僕が読んでいて特に気になった部分は第2章の“「勝ち負け」ゲーム、スタートラインに秘密あり!”の部分です。
この章では主に学校について
・近代になって誕生した「学校」というシステムが、すべての人が同じ土俵に立って競争し、それぞれの能力にしたがって選抜されるという原理(=メリトクラシー)で成り立っていること、それは点数によって評価されてしまう反面、出身家庭の格差や不平等を小さくする側面がある
・学校が「ゆとり」や「個性」を重視すると出身家庭の影響が大きくなったり、自分の「全部」が否定されたりする
ということが書いてありました。
最初は、この本の著者が不登校経験者だったということから、著者は「ゆとり」や「個性」を重視する方を支持するのかなーと勝手に思っていました…
しかし実際はそうではなくて「もっと怒っていい」(=「生きづらさ」を使って社会とつながる)ということを主張していていい意味で期待を裏切られました…!!
僕自身大学で教育を勉強中なのでどうしても「教育」や「学校」というワードに反応しがちですが、教育学部の学生にとってこの本は一読の価値があると思いました!!
ホンキメンバーの感想その2
どんな本?
そもそも「大人になる」必要ってあるのかな?という問いから始まります。
一般的にいうと「大人になる」=「社会に適応する」こと
じゃあ適応できない人はダメな人?むしろ、「適応すべき社会」の方がおかしいのでは?
人はすべてのことに適応することはできないと思います。誰もが、生きづらさや「何かが違う」と感じることがあるはずです。不登校やひきこもり、ニートに代表されるような人だけではなくて。
自分が生きづらさを感じた時、勇気をくれる本だと思いました!
どんな人におすすめ?
引きこもりや不登校、ニート、LGBT、に代表されるような社会的マイノリティーはわかりやすいのですが、今いる環境の中で、少数派だったり価値観が周りの大多数と合わず疑問に感じている人にも読んでほしいです。
そもそも、それは悪いことじゃなくて、周りの大多数が気づかないことに気づいてる証拠なのですから!
ここが好き!(気になった部分)
この本で私が気になった部分は、第4章にある「自分の問題を自分の言葉で語る」(P180)という部分。
何か違うなと思った時、適応できない自分がダメなんだ、負けなんだ、と自分の中で終わらせるのではなく、その問題を語ることで、「ああ、私もそう!」と、自分と同じような状況にある他の人を救うことができるかもしれない。
自分の「生きづらさ」は誰かのそれに寄り添うこと、同じ状況の人と繋がるチャンスになる。決してマイナスではないんだと、勇気づけられました。むしろ、すごいチャンスなんだと!この自分の感じた生きづらさを「発信」していくことが、大きな1歩になる。 「違和感」は決して自分一人のものではないんですね。
もし今いるコミュニティーやグループ内で、自分が少数派だと感じる人は、それを発信していくこと。今の時代ツイッター、Facebook、ブログなど色々な方法があるので、「自分にもなにかできるかも」!と思えてきます。
ホンキメンバーの感想その3
どんな本?
「誰もが生きづらさを抱えている」というキーワードをダイレクトに伝えられているような本だと思いました。
分かりやすいキーワードでいうと、著者自身が掲げている「不登校」の他に「LGBT」「社会不適合者」という、言葉的には分かりやすいものから、「過去のトラウマ」とか「家庭環境」とか、その人自身でしか理解できないようなパターンがある生きづらさがあるということが頭をよぎりました。
個々の生きづらさがある上で、その生きづらさ自体に自身が気づくことができなかったり、まぁしょうがないか…と諦めてしまうように作られた社会の現状や、まぁしょうがないか…と思わず、社会一般的に良しとされている選択とは違う選択をした時の「社会の強さ」が書かれています。
社会一般的に良しとされているものが果たして本当に「良い」環境なのかを考えることができるのもこの本の魅力の一つだと思います。
そして、自分の過去、現在、未来、周りにいる人と重なるようなことが書いてあるたびに本を読むのを止めて、自分が大切にしたい気持ちってなんだろう?あの人が大切にしている気持ちってなんだろう?と考えることができるのが、私にとってはこの本の最大の魅力のように感じました。
どんな人におすすめ?
私が、この本をおすすめしたいのはサラリーマンです!!
少数派の気持ちを抱いている人が、何らかのアクションを起こしたり声を上げることは、何らかのきっかけが必要だと思います。
そのきっかけは、この本を読んだ、とか、SNSで何らかの記事を読んだとか、様々だと思います。
ただ、きっかけの力として1番強く影響を、受けることができるのは、誰か身近な人が背中を押すことだと思います。
それは、この本でも記されていた、声を上げるには仲間を作ることが必要と書かれているように、理解者がいることが1番の大きな存在になると思ったからです。
その理解者は、子どもを持つ親でも、教育者でも、学生でも良いと思いますが、社会の一員として活躍しているサラリーマンが理解者として誰かの背中を押している姿って、なんかかっこよくないですか!?
居酒屋とか、電車の中とかで、上記のようなことが熱く語られるのって(もちろんこのようなことを語っているサラリーマンも多くいると思います)、想像するだけでなんだかステキな気がしませんか?
なので、サラリーマンにこの本をおすすめしたいです!!
気になった部分
この世の中悪くないし、私は幸せ。
と感じていたけど、なんとなくそれが覆されたような章がありました。
それが、第2章の「勝ち負け」ゲーム、スタートラインに秘密あり。です。
「勝ち負け」に興味がない私にとっては、ピンとくるものがない章かな?と思っていたのですが、読み進めて行くうちに、勝ち負けに興味がない私自身が、現在の教育にもある「ゆとり」や「個性の尊重」に影響されているのかな?と少し複雑な気分になりました。笑
著者は、教育や経済における「自由化」「多様化」に潜む罠を上げた上で、個人の力ではどうしようもできない格差や不平等があることを語っています。
そして、それが見えにくく、抵抗がしにくいが故に、生きづらさを抱えてしまう人がいる。という部分に納得しました。
今までは、その「生きづらさ」を周りが理解して、その人の気持ちを思いやることで解決できるものだと思っていました。
しかし、その問題を自分の中で流さずに何かしらのアクションを起こすことも一つの思いやりなのか!と刺激を受けた章です。
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