現在
Q.改めて、今どんなお仕事をされていますか?
週6日、地元の病院の医療事務の仕事をしています。まず患者さんが来た時に受付をして身体の症状を聞き、何科で受診してもらうのかを割り振りします。それから、診察が終わった後の会計もやります。
Q.一言に「事務」といっても、様々なことをするんですね!
はい。他にも、入院病棟の事務や、病院の物品の請求や業者への値段交渉、選挙の時には患者さんが病室で投票できるように設備を整えたりもします。さらに、防災訓練などの企画・運営や、男性職員が少ないから雑務をやったり、患者さんの送迎もしています。
Q.勤務形態はどのような感じですか?
月曜〜金曜は1日中仕事。土曜は半日だけ診察があるのでお昼まで仕事です。その中で月に4、5回は当直もあります。土曜日の午後と日曜日はお休み。仕事以外は、特に予定がなければ日曜の早朝に走ったり、ロードバイクの朝練をしてから1日が始まります。
Q.夢や安定については、どのように考えましたか?
病院に就職した時は、とにかく仕事を早く身につけることしか考えていなかったです。男性職員が入るのが10年ぶりだったのでプレッシャーを感じ、また女性陣の中でうまくやっていくことで手一杯だったので、そこまで夢については見いだせていなかったと思います。
Q.そういう部分でプレッシャーがあるんですね・・・。
バイトと仕事は全然違って、最初の3年間は大変でした。女性社会の中に男が入るのは結構大変なことがいっぱいあって、上手くやっていくために自分なりに模索しながらやっていました。
Q.具体的に、女性社会の中に入るとどのようなことが大変だったのでしょうか?
女性同士の人間関係も目の当たりにするので、その中で男がどう関わっていくのかは悩みます。一番は気にしないのがいいんだけど。(笑)また、僕は社員だけど、女性はほとんどがパートさんなんです。
Q.そうなんですね!
なので仕事を振る上で、自分よりもキャリアがある人に仕事を振るようなときもあります。そんな時は、言葉遣いなどに細心の注意を払ってやっていく必要があります。
Q.今のお仕事を通して、今後何かやりたいと思っていることはありますか?
町内にはいろんな病院がありますが、お互いにもっと関わりを持っていければいいなと思うんですよね。もっと関わっていけば、地域医療としては発展していけるんじゃないかと思っているんです。でも、そういうことは病院の医師同士が動かないと中々動けない所もあるので、なんとかしたいと思っています。
Q.そのために、どんなことから手をつけようと思っていますか?
人間関係を円滑に進めるような環境にできれば良いと思っています。まずは自分の部署から、コミュニケーションをもっと取るようにして、仕事以外の所でもっと関わりをもつようにしていきたいと思っています。仕事の場では、査定と返戻をもっと無くしたいと思っています。
今だから思うこと・これからのこと・伝えたいこと
Q.学生時代は楽しかったですか?
高校・大学は楽しかったです。今思えば、もっと楽しめたのではないかと思います。高校生の時はもっと色んな人と話したり、大学生になってからはもっとバイトしたり、海外にもっと行ったり・・・。後悔じゃないけど、やっておけばもっと楽しめたんじゃないかということがあります。
Q.大学は行ったほうが良いと思いますか?
あまりそうは思いません。具体的なやりたいことがあるなら、専門学校などに行けばいいし、大学に入ることが全てではないです。大学を出ていなくても、すごく活躍している人たちはいっぱいいるし、必ずしも大学に入る必要は無いと思います。
Q.何故学校では勉強しているんだと思いますか?
「社会人になって、恥をかかないようにするため」かな。社会に出て使わないこともあるけど、ちゃんとした大人として生きていくために必要なことなんじゃないかなって思います。
Q.やりたいことは最初から決まっていたほうがいいと思いますか?
そうは思わないですね。決まっていればいいとは思うけど、無いなら無いで、色んな経験をしながら、その中で決まっていけばいいと思います。
Q.社会人になって、人生は楽しいですか?
楽しいです。仕事は仕事でいいけど、仕事以外の所でも様々な人と関わることができて、本当に楽しいです!
Q.学生時代と今ではどちらが楽しいですか?
今のほうが楽しいですね。学生の頃より、経験できることがたくさんある気がします。トライアスロンを始めたり、やっとこの歳になって親と旅行に行ってみたり、同時に親孝行について考えられるようになったり、一人暮らし始めたり…今までに無かったような事がいっぱいあって、楽しいです!
Q.当時は辛くても、今になっては良かったと思えることってありますか?
1人で当直のバイトをしていたときに、自分だけで対応を決めなければいけなかったことがあります。そのとき、「失敗しないためにはどうするか」について考えたんです。そういう経験が、トラブルがあった時に対処法について考えられるようになるきっかけとなったんです。
Q.どのようなトラブルがあるんですか?
今となっては普通の事なのですが、病院には色んな症状の人がいらっしゃるので、当院では診察するのが難しい患者様が突然駆け込みで来られたりすることもあります。バイトしていた当時の僕はテンパってしまう事が多く、最初は看護師さんや先生に助けてもらってばかりでした。
Q.トラブルに対処するときに大切なことは何ですか?
いかに冷静になって対応できるかだと思います。冷静になって相手の話を聞いたり、自分には何ができるかを考える余裕が持てるようになれれば、色んな患者さんの対応ができるようになりましたし、それは今の仕事でも役にたっていると思います。
Q.進路選択時に、得意なことなどは活かしたほうがいいと思いますか?
それは活かしたほうがいいと思います。
Q.好きなことなどがわからない時は、どういう風にしてそれを見つけたらいいと思いますか?
とりあえずやってみる!頭で考えていても、やってみないとわからないからね。トライアスロンも、とりあえずまずはやってみてから「楽しい」と感じたのですが、やはりやってみないと世界もわからないし、自分に向いているのか、いないのか、また続けられるのかもわかりません。
Q.内田さんにとって、「仕事」とはなんですか?
生活していく上で必要なことではあるけど、自分を高めることでもあって、社会貢献できる事だと思います。
Q.自分が大切にしていることは何ですか?
「人のためになることは、できるだけ相手の気持ちをよく考えて行動する」ことは大切にしています。自分のことよりも、まずは相手のことを考えて行動するように心がけています。
Q.転職については考えていますか?
してみたいなとは思います。今の仕事は好きだけど、「この仕事だけで人生終わるのはどうなのかな」と思うんです。他に、自分に向いている仕事があるかもしれないですし。でも、なかなか一歩が踏み出せないこともあるのですが。
Q.これから進路を選択しようとしている人たちに、何か伝えたいことがあればお願いします。
色んな人と出会って欲しいです。色んなバイトをしてほしい。できることなら、海外にも行って欲しい。いかに日本が好きかを実感できるし、習慣の違いを目の当たりにできます。
Q.ありがとうございます。他にはありますか?
あと、社会人になっても、やりたい気持ちがあれば何でもやれると思います。その仕事に就いたからと言って、その仕事をずっとやらなければいけない訳ではないし、やりたいと思ったことをやった方が良いと思います。人を信じるよりも、自分を信じた方が良い。
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